訪問介護の仕事で体験した悩み

介護の仕事で体験することになる「よくある悩み集」

どんな仕事であっても、大半の人が悩むことになる「よくある悩み」というものがあると思います。
介護職であっても例外ではありません。

 

ホームヘルパーの場合は利用者との距離を適切に保つことが大切です。
これは、綺麗事ではなく自分の身を守るためです。

 

例えば、
訪問介護におけるヘルパーが、訪問先の家庭の諸事情に入り込み過ぎてトラブルに巻き込まれてしまったりすることがあります。

 

また、たまにニュースにもなりますが、訪問先の金銭や物品を盗んでしまったという事件は後を絶ちません。

 

特に、一人暮らしの高齢者の自宅ではその様な危険が高くなりますし、逆に家族と同居している高齢者の場合は、家族からの苦情が居宅の担当ケアマネージャーに寄せられることが多々あるのです。

 

このページでは、私が介護職員初任者研修(ヘルパー2級)の仕事の中で、とある利用者様宅で悩んだ事を、いくつかご紹介したいと思います。

 

お茶の誘い

誰しもが必ず通る道とも言える、利用者様からのお茶の誘いです。
ヘルパーが介護の仕事をしているということを認識している方であっても、この誘いをしてしまう方はいらっしゃいます。

 

なおのこと、認知症の方にとってはヘルパーとしての認識がない人も多く、お客様として見ている方も多いのです。
利用者様と事業所との契約書には、物品等の教授は禁止事項としていることが大半で、行うことは契約違反となります。

 

十分な説明はもちろんですが、利用者様によっては「先に頂きました」と、誘いを上手に断ることも必要になるかと思います。

 

前の人はやってくれた

この言葉、言葉の真偽は兎も角として多い困りごとの一つです。
サービスは契約書に基づいて、計画書に沿ったサービスを提供するのが原則です。

 

困ったこと

 

そのため、計画書にないサービスを行うことは、やはり違反行為となります。
しかし、ヘルパーによっては利用者さんのお願いを断りきれず、黙って違反行為を行ってしまうことがあります。

 

その結果、馴れ合いの関係が生まれてしまい、信頼関係とは程遠い関係が形成されます。
サービスは自立を支援するものであって、御用聞きではないことを十分に認識していなければなりません。

 

契約にないお願い事

上記と似たことですが、こちらは利用者様よりもご家族に多い困りごとです。
利用者様の夕食を作るときに、「あと一食多く作ってくれないか」ということがあります。

 

それを利用者様ご本人が食べるのであれば、計画変更のもとで行うことは可能かもしれません。
しかし、それを利用者様とは別の方が食べるのであれば、それは介護サービスとは全くの別物です。

 

もし、どうしてもその必要性がある場合は、全額自費負担を契約上取り交わしているか利用者様と事業所に確認して下さい。
介護保険を適用しないでサービス費用の全額を自己負担する場合、そうしたサービスを行っても契約上問題ない場合があります。

 

ただ、その場では判断できないため、一度話を持ち帰り、事業所でサービス提供責任者に報告し、対応をする必要があります。

 

利用者さんと仲良くなりすぎてしまう

また施設介護においてはこういう事例がありました。
有料老人ホームでの出来事です。

 

精神疾患を抱えた入居者が居いました。
元看護師の方で、普段はとてもしっかりされていた方でした。

 

例えば、他の入居者が食堂で誤嚥により倒れた時には、スタッフが吸引器を取りに行っている間にその方の脈を取っていてくれていた程でした。

 

その方の居室担当者はヘルパーを取得して間もない新任スタッフでした。
それはもう一生懸命なスタッフで、

  • 何かと親身になって相談に乗り
  • 月に一回は外出して一緒に回転寿司を食べに行ったり
  • 買い物をしたり

と、親密な関係を築いていました。

 

利用者さんと仲良くなった

 

しかし、精神疾患の方は、精神的に弱ってしまうと、ちょっとしたことでも歯車が回らなくなってしまいます。

 

ですから、相談員やケアマネージャーは、その新人ヘルパーに対して「あまり利用者さんと親密になり過ぎると、後で自分の首を絞めてしまう事になるから…」と何度もアドバイスしていました。

 

そして、その入居者がある事をきっかけにリズムが狂ってしまい、どんどんと精神的に下がっていきました。

 

すると、自分の物を盗まれたという「物盗られ妄想」が出てきて、挙句の果てに「自分のキャッシュカードを勝手に使われ預金を下ろされた」という様なことを言い出しました。

 

ついに疑われてしまいました

その利用者さんも、最初は、

  • 他の入居者
  • 以前から気に入らなかったスタッフ

のせいだと話していましたが、最終的に疑われたのは仲良しだった居室担当者でした。

 

「あの人なら、私のキャッシュカードの暗証番号を知っているから。」

 

確かに知っていたのです。
しかも、それを上司に報告していませんでした。

 

今回のケースでは、その疑いは、ただの思いこみでした。

 

ですが、その真面目な担当者は、入居者が精神科へ入院してしまった原因を「最終的に自分が追い込んでしまった」と考えてしまい、なかなか立ち直れずにいました。

 

立ち直れない

 

適切な距離感で関係を築く

この様に、どんな場合であってもいくら知り合いであっても、

  • 利用者・入居者
  • 介護スタッフ

という立場で仕事上向き合うことになったのなら、適切な位置関係を保つように心掛けなければなりません。

 

冒頭に述べた様に、そうすることで自分を守る事が出来ると共に、実は利用者も守る事が出来るのです。

 

なぜなら、一人に思いこみ過ぎることがなくなるので、そのスタッフがいなくても、きちんと生活していきやすいのです。

 

そのためには、常にチームプレーでの介護を意識する必要があるのです。

 

介護職員が意識したい「支援」と「なれ合い」の違い

利用者様やそのご家族と仲良くなることは、今後も支援を続けていく上で悪いことではありません。
しかし、それが馴れ合いになってはいけません。

 

あくまでも、ヘルパーは仕事でお邪魔するという事は、ヘルパー2級講座でも講師の方々に言われることだと思います。
支援と甘えが全くの別物であることを、ヘルパー自身もそうですが利用者様やご家族にもしっかりと説明できるよう、認識していく必要があります。